Tailor's blog (旧)
皮膚サミット。
いつもご利用ありがとうございます、
ドッグサロンテイラーの飯谷です。
まずは年末のご予約状況についてお知らせです!
12月の26日以降はすでに満席となっております。
それ以前の土日につきましても、
残り1~2枠となっておりますので、
12月の土日をご希望の方、
特に多頭飼いの方はお早めに
ご連絡いただけますと
ありがたいですm(__)m
12月中旬の平日はまだ比較的
空きがあります!
どうぞ宜しくお願い致します。
さて、
だいぶ時間が経ってしまいましたが、
先日開催されました
「 第一回 どうぶつ皮膚サミット 」。
もう何年も前から、
アジア獣医皮膚科専門医
伊從先生のスキンケア専門書に
お世話になっており、
皮膚の状態やシャンプー選び、
お薬との併用について
勉強させていただいておりましたが、
ついに!皮膚のサミットを開催すると聞いて
鼻息荒く!参加してきた次第です(^^)
獣医さんやグルーマーさんとの
対談ということもあり、
最近トリマー業界でも話題となっている
「耳毛問題」にフォーカス。
プードルやミニチュアシュナウザーなど、
耳の穴の中に「耳毛」が生えている犬種は、
お手入れや通気性の観点から、
「耳毛を抜く」のが当たり前とされてきました。
しかし数年前から、
「耳毛を抜くと刺激が強すぎるから
余計に炎症がひどくなってしまう」
「痛がるのにわざわざ耳毛を抜かなくても、
切ってあげればいい」
そんな考え方が広まっていきました。
この点はまだまだ、
獣医さんの中でも意見が分かれるそうですが、
最近の「耳毛切りハサミ」は、
「皮膚は切れないのに毛は切れる」
という優れもの。
テイラーでは、抜く子もいれば切る子もいます。
耳毛の処理をしてもらうと
しばらく頭をブルブルする…
慢性的な外耳炎で、お耳の中が赤い…
お耳がちょっぴり敏感な子は、
「耳毛を切る」選択肢も
ありかもしれません(^^ ♪
気になる方はぜひご相談ください。
そうそう、
話は戻ってスキンケアのお話です。
今や、人の化粧品にも負けないくらい、
品質のいいシャンプーやクレンジングオイル、
保湿剤がたくさんあります。
それくらい、
犬の皮膚にも「優しさ」が必要と
考えられるようになってきたんだそう。
当店でお取り扱いさせていただくようになった
「 TEGSUMIシルクケアシャンプー」も、
商品開発に相当時間をかけて、
獣医さんと話し合いながら、
「地肌ケア」に着目したシャンプーです。
シャンプーで汚れを落とすのは大事だけど、
いかに、皮膚バリアを守れるか。
これからの犬のお手入れは、
皮膚の「保湿」が
当たり前の時代になっていきそう。
シャンプー後の皮膚の乾燥は、
余計な皮脂の分泌に繋がり、
それが菌の繁殖を手助けしてしまう…
ただ、アトピー性皮膚炎や
慢性的な痒み、脂漏症などで
薬用シャンプーを処方されることも
多くあります。
それは、
「一定期間内において」
正しく使えれば効果的ですが、
使わないとすぐ痒くなるからと、
薬用シャンプー使っていれば安心だから、と
予防的にずーっと使い続ける方も多く、
今問題となってきているのが
薬用シャンプーの有効成分に対する
「耐性菌」なんだそう…
なんでも耐性菌って出てきてしまうもんだなぁと、
菌の進化が恐ろしくなりました。(^^;
痒みを一時的に抑えてくれるアポキルや
サイトポイントなどのお薬を
上手に使い、
薬用シャンプーで炎症を抑え、
落ち着いたら皮膚の保湿と「腸活」!
この「腸活」で
腸内環境を整えることこそが、
慢性的な皮膚炎から脱却するカギなんだと、
対処療法から「根治療法」へと繋がるんだと、
熱く伝えてくださいました(^^)
東京動物アレルギーセンターの
川野先生の研究が今、
獣医師界で注目を浴びています。
それは、
「 糞便微生物移植法 」
要するに、
健康な犬のウンチをアレルギーの犬の
大腸に移植する
ということだそう(^^;
これだけ聞くとちょっとあれですが…
でもこれは本当に、一発で、
症状が改善されるんだそう。
https://www.tuat.ac.jp/outline/disclosure/pressrelease/2023/20230613_01.html
( ↑ 東京農工大HPより)
健康な犬のウンチを移植することで、
アトピー性皮膚炎の犬の腸内細菌叢を改善し、
皮膚炎や痒みなどの症状を
軽減させることを発見。
この結果から、
健康なワンコと、
皮膚炎を患っているワンコとでは、
腸内細菌叢、つまり腸内フローラが
大きく異なっていることが分かったそう。
腸には免疫を担当する細胞の
約70%が存在するとされていますから、
頷ける結果かもしれません。
https://camec-ao.jp/allergy_center
( ↑ 東京動物アレルギーセンターHP )
ではなぜ腸内環境が乱れているのか?
ストレスや
仔犬の時の強いお薬、
飲み続けているお薬や口腔内細菌など、
様々な要因が重なった結果、
腸内環境の悪化に繋がっているんだそう。
特に消化器系のお薬や、糖尿病、
抗生物質は腸内細菌に影響を与えやすいようで、
継続的な投与は獣医さんとしっかり
連携を取る必要がありそうです。
また、「腸は第二の脳」と呼ばれるくらい、
脳と密接に関係しており、
緊張や不安、ストレスを感じると、
自律神経を介したストレス刺激が
腸に影響を与えているんだそう。
ではどうやって腸内環境をよくしていく?
①まずは良い菌を補給すること!
ビフィズス菌や乳酸菌など、
ヨーグルトなどの発酵食品や、
サプリメントで普段の食事から
取り入れていきましょう♪
グリーントライプにも良い菌はいっぱいです(^^)
②良い菌を育てていきましょう!
食物繊維やレジスタントスターチ、オリゴ糖など
「菌のエサ」になるものを補給して
応援しましょう!
腸内細菌は、酸素が少なく、
エサとなる食物繊維が豊富な
大腸に住み着いています。
(乳酸菌は、酸素が必要だから
小腸にいるんだそう。)
善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維と
有害物質を回収してウンチに出してくれる
不溶性食物繊維を
バランスよく摂る必要があります。
③そして最後は菌の邪魔をしないこと。
胃酸抑制剤など消化器系のお薬や抗菌薬は、
腸内環境に影響を与えてしまうおそれがあるものの、
飲ませないといけない場合もありますから、
その間は特に、腸に負担の少ない食事に
切り替えてあげた方がよさそうです。
また、歯周病などの口腔内細菌も、
腸内細菌を乱す原因に。
口腔ケア、いつかブログでも
特集したいと思います(^^)
そして腸管を支配している自律神経を乱す
ストレスも、腸内環境を乱す原因に…
過度な緊張や興奮を落ち着かせる。
お留守番を不安にさせない。
落ち着く場所を確保してあげる。
外的環境への慣れ。
これらはきっと、
トレーナーさんとの連携が不可欠です。
このサミットでも、目的の一つは
各方面との連携を強めていくこと。
お薬や医療が専門の獣医さんと、
シャンプーやスキンケアのプロである
私たちトリマーと、
適切な飼育環境で免疫を育んでいく
ブリーダーさんと、
ストレスフリーな生活を目指す
お手伝いをしてくれるトレーナーさんと、
みんなの意見をヒアリングして
商品開発してくれる企業さんと、
そして何より、
いろんな方法を試して、実践して、
ワンコの一番そばにいるのは飼い主様。
その輪の中心にいるのは、
ワンコたちです。
この繋がりがどんどん広がっていけば、
皮膚のお悩みだけでなく、
いろんな悩みに対処していけるんじゃないかと、
なんだか未来にワクワクしたサミットでした(^^)
サミット中は、LINEのオープンチャットで
リアルタイムで皆さんの質問が飛び交い、
回答が追いつかないほど…
獣医さんやトリマーさん、
企業の方々に混ざって
一般の飼い主様も多く参加されていました。
第二回目の開催が、
待ち遠しい限りです(^^)
約6時間のサミット、
ギュッとまとめたつもりなんですが
長くなりました~(^^;
お伝えしたいことがたくさんありすぎて
いっぱい書いてしまったので、
あれも、これもやらなきゃ、
と先が思いやられてしまいそうですが…
まずは簡単なことから。
ご飯にサプリを混ぜてみたり、
保湿スプレーを使ってみたり、
お留守番のご褒美に長めに散歩行ってあげたり…
少しずつ、続けられそうなことから、
始めてみてください。
継続することで得られる
小さな変化を、
感じてみてください(^^)
腸活にオススメな商品、
また新たに入荷予定ですのでお楽しみに♪